ここ数年、PFCバランスという言葉を耳にする機会が多くなりました。
確かによく聞くけど…
何となくしか知らないかも。
簡単に言うと
【バランスの良い食事をしよう】
ということです。
ここではもう一歩踏み込んで
- なぜPFCバランスが重要なのか?
- 計算方法やその考え方について
などを、例を交えてわかりやすく解説してます。
PFCバランスと聞くと筋トレやダイエットをイメージするかもしれませんが、実際には健康や美容に大きく関わってくるものです。
健康に暮らして行くためにもちょっとだけ意識を傾けてみましょう。
記事の後半では、PFCバランスの「食事管理を手助けする方法」も紹介していますので良かったら参考にしてみてください♪
PFCバランスとはどういったものなのか?
順番に説明していきますね。
PFCバランスとは
これらは、私たちが生きていく上で欠かすことの出来ない栄養素で、三大栄養素といいます。
そしてこの三大栄養素が「摂取カロリーに対してどれくらいの比率で含まれているのか」のことをPFCバランスといいます。
1日の摂取カロリーが2000kcalで、
その内訳が以下だった場合
たんぱく質
脂質
炭水化物
400kcal
600kcal
1000kcal
この時のPFCバランスは
P = 20%, F = 30%, C = 50%
ということが言えるわけです。
このPFCバランスを意識するかしないかによって、健康や美容に大きく影響することになります。
なぜPFCバランスの意識が必要なのか?
これらはほんの一例で、健康維持、ダイエット、筋トレ、美容など、どの局面においてもPFCバランスの意識はとても重要になります。
例えばダイエットについて考えてみましょう。
ダイエットは通常、消費カロリー>摂取カロリーとなることで成立します。
しかしこればかりを意識し、PFCバランスを疎かにした栄養素の偏った食事を続けていると、様々な体の不調に繋がる可能性が高くなります。
不健康な体では病気になりやすいばかりでなく、ダイエットについても体が上手く機能しなければ思う様な結果が得られません。
要するに・・・
たんぱく質が話題となっているからと言って摂り過ぎには注意が必要です。
また、低脂質や低糖質にしたいと言って極端に制限することもよくありません。
ここではダイエットを例に挙げましたが、健康や美容に関する全てにおいて当てはまる内容と言えます。
PFCはそれぞれで役割が異なります。
各栄養素ごとにフォーカスしてみましょう。
PFCバランス 三大栄養素の役割とは?
三大栄養素であるたんぱく質、脂質、炭水化物は、私たちが健康に生きて行く中でどれも欠かす事のできない重要な栄養素であり、要約すると以下の様な役割があります。
では、それぞれが実際にどの様な役割を持っているのかひとつずつみてみましょう。
P:たんぱく質
「たんぱく質=筋肉の原料」の様なイメージがありますが、その他にも血管や内臓、皮膚や髪、爪など、体の大部分をつくる材料となっています。
さらにはどこかで聞いたことのある、セロトニン、ドーパミンなど、ココロに影響するこれらの物質の材料にもなっており、うつ病などの原因のひとつになっていると言われています。
この様に、たんぱく質は『命を維持することそのもの』と言えるほど人体への影響が大きい栄養素です。
エネルギー量 = 1gあたり4kcal
F:脂質
脂質はカロリーが高く太りやすいと悪者扱いされがちですが、摂らなければならない重要な栄養素のひとつです。
運動する際の効率的なエネルギー源になる他にも、細胞膜やホルモンの原料となります。
脂質が不足してしまうと肌荒れや髪のパサつきなど美容への影響が出たり、脳の働きが鈍ることによる認知症やうつ病に繋がる可能性もあります。
そのため、たんぱく質に続く重要な栄養素ということが言えますね。
エネルギー量 = 1gあたり9kcal
C:炭水化物(糖質+食物繊維)
糖質と食物繊維を合わせたものが炭水化物です。
糖質は筋力トレーニングや短距離走などの瞬発的な運動に使用されます。
また、脳や神経組織、赤血球といった組織へぶどう糖を栄養分として供給します。
糖質制限ダイエットが流行となり、糖質の摂り過ぎを見直す人が増えました。
しかし、極端な摂取制限は体の不調に繋がりますので、適度な量を摂取することが大切です。
エネルギー量 = 1gあたり4kcal
PFCバランスが優れたレシピのひとつとしてローストビーフを紹介した記事も書いています。
良かったらそちらも参考にしてみてください。
ある人が1日あたり約2,000kcalの食事メニューを検討しています。
以下の内、どちらを選択する方が健康に良いでしょうか?
→解答はこちら
正解は①です
PFCがバランスよく含まれているのは②じゃないの?
バランスが良いとはそういう意味じゃないんだよ。
うーん・・・難しいなぁ。
「PFCバランスが良い」とはどういったことなのでしょうか。
それは、以下の様に厚生労働省によって指針が示されています。
PFCバランスとはエネルギー産生栄養素バランスのこと
PFCバランスの基準を考える時、目安となるのはエネルギー産生栄養素バランスです。
厚生労働省で定められた健康を維持するための指標。
以前のPFCバランスという名称を2015年よりエネルギー産生栄養素バランスへと変更された。
PFCバランスの正式名称といったところね♪
以下の表のバランスで食事を摂ることが健康に最も良いとされています。
この表は健康維持を目的に設定されているため、その値は標準体重に適したものです。
体重が標準値より大きく外れている人やダイエットを目的とする場合などは、それぞれに適したPFCバランスを設定した方が良いでしょう。
設定の仕方については以下の記事もありますので、良かったら参考にしてみてください。
PFCバランスから実際に摂取する質量の計算方法とは?
PFCバランスを元にいざ計算!
そう思って始めてみたものの、ややこしくていまいちよく分からなかったりしますよね
難しく感じてしまうのは「カロリーと質量を混合して考えてしまいがち」というのが理由のひとつです。
そこで、ここではPFCバランスを使った計算方法について実用的な例を2つ挙げて解説したいと思います。
それでも計算が難しい!という方には自動計算が出来るツールがおすすめです。
それでは順番に解説していきましょう。
これは冒頭の例と同じですね。
先に解説した通り、PFCバランスで分かることは
「摂取カロリー中のPFCが何kcalずつなのか」
です。
つまり…
2,000kcalのP = 20%, F = 30%, C = 50%は
たんぱく質
脂質
炭水化物
400kcal
600kcal
1000kcal
となります。
でもちょっと待ってください。
このままでは、実際にPFCを何gずつ摂取すれば良いのか分かりません。
kcal→gの変換をしなくてはいけません。
各栄養素の説明でも書きましたが、PFCそれぞれが持つカロリーは以下となります。
たんぱく質 1gあたり 4kcal
脂質 1gあたり 9kcal
炭水化物 1gあたり 4kcal
これらを元に計算すると・・
P(たんぱく質) 400 4 = 100g
F(脂質) 600 9 = 66.7g
C(炭水化物) 1000 4 = 250g
となるわけですね。
健康やダイエットを意識している方であれば、以下の様な栄養成分表示をよく見ると思います。
この表を見て
「PFCバランスはP=○%, F=○%, C=○%です」
と瞬時に答えるのは困難ですよね。
少なくとも私には無理です(笑)
これを求めるためには、実用例1とは逆で
g→kcalの変換をしなくてはいけません。
質量にPFCそれぞれが持つカロリーを掛けて…
- P(たんぱく質) 25.6 x 4 = 102.4 kcal
- F(脂質) 26.0 x 9 = 234 kcal
- C(炭水化物) 73.4 x 4 = 293.6 kcal
総カロリー630kcalに対する割合を計算します。
P 102.4 630 100 = 16.3
F 234 630 100 = 37.1
C 293.6 630 100 = 46.6
よって、PFCバランスは
P = 16.3% F = 37.1% C = 46.6%
となりますね。
PFCバランスの食事管理を楽にする方法
「毎回、PFCバランスを計算してレシピを考えるのが面倒」と感じる方は宅配弁当を検討してみるのも良いかもしれません。
ダイエットや健康維持を目的としたPFCバランスが良いものを利用すれば、準備の手間をほぼ無くすことが可能です。
「PFCバランスが大事なのは分かるけど、仕事や家事が忙しくてそこまで手が回らない」と言った人にはとても重宝すると思います。
以下の記事ではダイエット食におすすめな宅配弁当について解説しています。
まとめ
PFCバランスに意識を傾けることは健康への近道です。
健康である事は日常生活に活力を与えてくれるばかりでなく、ダイエットや美容の大きな手助けとなります。
普段から栄養のあるものを摂取しているつもりでも、そのバランスには意外と気が回っていないものです。
この先の健康のためにも、一度立ち止まって見つめ直してみるのも良いかもしれませんね。