ダイエットをきっかけに体脂肪率を記録し始めてみたが、数値は上がったり下がったり…。
本当にこれって合ってるの?
そう思うことはありませんか?
ハッキリ言ってしまうと、体重計の体脂肪率は「測定」ではなく「推定」しているのです。
そのため、実際の体脂肪量とは完全に一致せず数値もかなりバラつきます。
しかしながら、体脂肪率が測れる体重計の最大の利点は「手軽さ」。
参考値としてなら誰でも簡単に知ることができます。
たかが参考値、
されど参考値。
特性を知り、正しく使用することでダイエットや健康管理に大いに役立てることができます。
本記事では体脂肪率に誤差が出てしまう原因や、その解決策を解説しています。
測定した体脂肪率に一喜一憂するのではなく、上手に使いこなしましょう♪
- 体重計の体脂肪率はあてにならない
↓
- 特性を理解し正しく使えばとても有用性がある
体重計の体脂肪率があてにならないと思われてしまう理由
体重計の体脂肪率があてにならない思ってしまう理由は、大きく分けて以下の2つが考えられます。
- 生体インピーダンス法という仕組みの問題(技術的要因)
- 使用方法が適切ではないため(人為的要因)
順番に見ていきましょう。
あてにならない理由①
生体インピーダンス法という仕組みの問題
体脂肪率の測定機器には色々な種類があります。
しかし、実際の体脂肪量を完璧に測定できるものはありません。
いずれも推定値ってことなのね
測定方法 | 測定精度 | どこで測定? |
---|---|---|
生体インピーダンス法 | 家庭やジム | |
キャリパー法 | ||
水中体重秤量法 | 専門機関 | |
空気置換法 | ||
DEXA法 |
私たちが体脂肪率を測定する時に使う体重計には【生体インピーダンス法】という仕組みが使われています。
フィットネスジムなどに置かれているものもこれにあたりますね
体内に微弱な電流を流し、その流れやすさで体脂肪量を推定する方法。
体脂肪以外の組織は70%以上の水分を含むため電気を通しやすい。
一方で体脂肪は電解質をほとんど含まないため電気をほぼ通さない。
生体インピーダンス法は「手軽に体脂肪率を測定出来ること」が最大の利点ですが、次のような影響を受けることにより誤差が生じやすくなります。
体内水分の影響
生体インピーダンス法の仕組みを分かりやすく言うと…
「水分が多い骨,筋肉,血液など」と「水分がほとんどない脂肪」を体内の水分量で見分けるというもの。
つまり・・・
生体インピーダンス法は
体内の水分量に影響されやすい
例えば…
- 体内水分が少ないと脂肪が多いと判断
- 体内水分が動的だと測定値が不安定
と、いうことになります。
そのため、起床直後, 運動後, 入浴後, 食事後などで数値が変動してしまうということですね
推定式による影響
生体インピーダンス法での体脂肪率の算出には、電気抵抗値の測定以外に以下の情報を使用します。
- 身長
- 体重
- 年齢
- 性別
これらの情報を元に、体重計メーカーは独自の推定式で体脂肪率を算出しています。
そしてこの推定式には、多人数からサンプルを収集した「基礎データ」を用います。
「この体格と年齢と性別だったら…この基礎データで計算しよう」
といった感じのイメージ。
人の体を構成している要素の割合は皆それぞれ。
そのため、基礎データに近い人やそうでない人で誤差が出てしまうんですね。
また、誤った使い方をした場合も基礎データから外れることになり、大きな誤差が生じることになります。
それは次のようなものです。
あてにならない理由②
使用方法が適切ではないため
次の様な使用方法だと測定結果があてにならない数値になりやすいです。
- 測定タイミングが悪い
- 測定する時間がバラバラ
- 同じ機種を使用していない
- 体重計の登録情報が正しくない
- 使用方法が間違っている
※正しい使用方法については後述します。
体重計の体脂肪率にはどれくらい誤差(バラつき)があるのか?
ある研究データによると生体インピーダンス法での測定誤差は、最大で約8%の誤差が出る可能性があるとのこと。
実生活ではそこまでないような…。
そこで実際にどれくらい誤差があるのか調査してみました♪
以下は私の1日の測定データです。
1日を通して水分量が安定している時間と不安定な時間(後述)の両方を測定し、どれくらい誤差があるのか調べてみました。
結構バラつきがあるのね
結果として最大で2.5%の変動がありました。
体内の水分は1日を通して徐々に下半身に集まってくる傾向があるため、これはその影響と考えられます。
測定する時間帯によって大きな誤差が出てしまうことがよくわかりますね。
「体重計の体脂肪率があてにならない」を改善する方法
体内の水分量が安定した時間に測定する
体内水分の変化が大きく、水分量が安定しないタイミングでは正しく測定することができません。
測定に適しているのは次の時間帯です。
- 起床後
- 朝食後 2時間以上経過
- 昼食後 2時間以上経過
- 夕食後 2時間以上経過
- 入浴後 2時間以上経過
体内水分が不安定なタイミングを避けて測定しましょう。
特に以下のタイミングはNGです
- 激しい運動直後
- サウナや入浴直後
- アルコールを飲んだ後
- 量の水分摂取、食事後
いつも同じ条件で測定する
時間
毎日なるべく同じ時間帯に測定しましょう。
(上記の測定に適した時間帯の中で)
上述した通り、1日を通して体脂肪率の値は大きく変動します。
そのため「昨日の測定は朝」「今日の測定は夜」…と言った様に毎日の測定時間が異なると、誤差は大きくなってしまいます。
機種
測定する際は必ず同じ機種を使用しましょう。
体重計の各メーカーは、独自に収集したデータと推定式を使用して体脂肪率を算出しています。
例えばOMRON KRD-703Tの基礎データであれば以下の様なものです。
これらの指標はメーカーや機種ごとに異なるため、使用する機種が統一していないと測定結果もあてにならないものとなってしまいます。
以下は私が所有している2台の体重計で測定したデータです。
1日を通して同条件でテストしました。
体重はほぼ同じ様に測れていますが、体脂肪率においては平均で1.6%, 最大で2.4%の違いが出ています。
同一機種の重要さが一目瞭然ね
服装
裸または下着などの薄着で、いつも同じ服装で測定するのが理想的です。
「衣服が重たくて影響するのは体重だけじゃないの?」という声が聞こえてきそうですが、体脂肪率にも関係してきます。
あるテストをしてみました♪
以下の2つの条件で測定して比較しました。
- 通常通りに測定
- 2kgのおもりを持って測定
測定方法 | 体重 (kg) | 体脂肪率 (%) | 体脂肪量 (kg) |
---|---|---|---|
通常通り | 69.7 | 16.9 | 11.8 |
+2kgのおもり | 71.7 | 18.4 | 13.2 |
差 | 2 | 1.5 | 1.4 |
体重に合わせて体脂肪率も増加しちゃいました。
それもそのはず。
体外で重量が増えたということは、電気を通さない部分(=脂肪)が増えたと認識されたので当然の結果です。
しかし、おもりが2kgに対し体脂肪量の増加は何故か1.4kg…。
恐らく、メーカー独自の推定式による影響と考えられます。
この様に、衣服の重さが変わってしまうと測定結果もあてにならないものとなってしまうので注意が必要です
いつも同じ格好で測るのが大事♪
正しい方法で使用する
取扱説明書の注意点を守り正しく使用しましょう。
例えば以下の様なものですね。
- 個人データを正しく登録する
- 硬くて平らな地面に置いて測る
- 電極部に肌をしっかりと密着させる
- 電極部に触れる肌が濡れた状態で使用しない
「そんなの当たり前だよ…」という声が聞こえてきそうですが、意外と多いエラーだったりします。
ちなみに、私が愛用しているOMRONのKRD-703Tでも以下の様に細かく注意点が書かれています。
長期間で見て判断する
上記を守り、いつも同じ条件で測定したとしても測定値にバラつきは出ます。
生きてる=体内水分が変動する
って事なので当たり前よね…
ここで大事なのは
「バラつきを同様に見るか」
ってこと♪
以下のグラフは、私のダイエット期間中の体脂肪率を一週間ずつで見たものです。
上がったり下がったりしてるわね…
こうして見るとモチベーションも中々上がりません。
ではこれを3ヶ月分繋げてみます。
どうでしょうか。
ゆっくりとですが確かに減っているのが分かりますよね。
体脂肪率の増減は長期間の目線で見て判断することがとても重要です。
ダイエット中に結果を急ぎたくなる気持ちは誰しも同じです。
しかしそんな時こそ短期間の変動に一喜一憂するのではなく、腰を据えて継続して行きましょう。
なるべく測定精度が高い体重計を使用する
体重計はなるべく精度が高いものを使用しましょう。
上述したことに気を付けて測定していたとしても、体重計の精度が低ければ「あてにならない数値」となるかもしれません。
中華製などの安物ではなく、実績のあるメーカー製を購入した方が良いでしょう。
私がおすすめする体重計を簡単に紹介しますね♪
体脂肪率を高精度に測れるおすすめの体重計5選
比較表
スマホで表が見にくい時はこちらをスクショ♪
機種名 | KRD-703T | RD-912 | BC-768 | BC-705N | HBF-214 |
---|---|---|---|---|---|
機種画像 | |||||
測定箇所 | 両手両足 | 両足 | 両足 | 両足 | 両足 |
測定項目数 | 10 | 8 | 8 | 7 | 7 |
部位別測定 | |||||
スマホ連携 | アプリの起動不要 | ||||
個人自動認識 | |||||
登録人数 | 4人 | 4人 | 5人 | 5人 | 4人 |
アスリートの測定 | |||||
立てかけ収納 | |||||
計測範囲 | ~135kg | ~180kg | ~150kg | ~150kg | ~135kg |
最小表示 | 100g | 100g | 100g | 100g | 100g |
実勢価格 (参考値) | ¥17,980 | ¥16,083 | ¥7,827 | ¥3,680 | ¥3,420 |
Amazon 1ヶ月販売台数 (参考値) | 約500 | 約100 | 約1000 | 約4000 | 約5000 |
特徴 | 両手両足測定の安定感 | 医療分野の技術を採用 | スマホ連携なのに安価 立てかけ収納OK | お手頃価格 個人自動認識 | お手頃価格 |
KRD-703T(オムロン)
【おすすめポイント】
- 1万円台で唯一の両手両足測定
- 上半身にも電気を流すため、体内水分の変化による影響を受けにくい
- 乗ると個人を自動認識してくれる
私はコレを愛用しています
RD-912(タニタ)
【おすすめポイント】
- 医療分野の技術を搭載
- 乗るだけで測定が開始される
- 筋肉の質を点数で表示してくれる
BC-768(タニタ)
【おすすめポイント】
- 立てかけて収納することができる
- スマホ連携できる機種の中で安価
- シンプルかつスタイリッシュ
BC-705N(タニタ)
【おすすめポイント】
- 個人自動認識機能付き
- 安価なのに高性能なのでコスパが良い
KRD-703T(OMRON)
【おすすめポイント】
- 安価でスタイリッシュ
- 安価なのに高性能なのでコスパが良い
体重計(体組成計)の選び方
体重計を選ぶ時は次の様な点をチェックして、自分に合うものか確認すると良いでしょう。
- ・部分別測定ができるか
-
腕、体幹、脚など、別々に体脂肪率や骨格筋率を測定できる機能。
- ・計測できる重さの範囲
-
機種によって計測できる最大重量が違うので体重が重たい人は注意が必要。
- ・スマホと連携できるか
-
連携できるとアプリに情報を転送してくれるので便利です。
- ・アスリートが計測できる設定があるか
-
運動量がとても多い人は必要な設定となります。
- ・立てかけ収納できるか
-
家のどこにしまっておくかをあらかじめ考えておくとよいです。
まとめ
体重計の体脂肪率は確かに誤差とバラつきがあります。
使い方によってその数値はあてにならないかもしれません。
しかし特性を知り正しく使用することで、体重計の機能を最大限に引き出すことができます。
また、毎日の数値の変動に一喜一憂するのではなく、長い目で見て観察していくこともとても大事です。
毎日同じ時間に計測するという行動が良い習慣となり、ダイエットや健康管理に大いに役に立つことでしょう。